最近どんな漫画読んでる? 2017/10/13


色々読んでいるんだけどなかなかそれぞれで1本書くのも大変だというまんが関係のことについて、だらだらと書いていきたい。

今週は西炯子の「たーたん」2巻と「初恋の世界」3巻が同時発売された。
どちらもコメディなんだけど、なんかすごく登場人物の深い部分に踏み込んでいて驚いた。全然違う話なのに、最新刊はどちらも同じような感じになっているのだ。
「たーたん」の主人公は人生に失望して自殺を計ろうとしていた話、「初恋の世界」では主人公を含んだ仲良し4人組がそれぞれ不倫の恋や、離婚した元ダンナに出くわしたら大家族になっていたエピソードとか、なかなか重たい。 そして、同時刊行されている理由でもあると思うのが、どちらも主人公が40過ぎである、という大きな共通点だ。
けれど、かつてプチフラワーコミックスで刊行されていた「嶽野義人シリーズ」に熱狂していた10代から大分経って、西炯子のこんな漫画が楽しめるなんて思いもしなかったなあと思う。
40代を描く、ということで言えば、入江喜和の「たそがれたかこ」を真っ先に思い出すけれど、入江の40代と西の40代の描き方は全く違う。 身体も親も衰えていく中で、心はいつまでも大人になれないという女性の起こしたロックンロールを描いた「たそがれたかこ」の主人公は、顔のほうれい線などが特徴的に、オバさんとして描かれる。
反対に西炯子は、男でも女でも(中年太りはあるにしても)衰えが始まった、という形では40代を描いていない。それはそれで、40代をどう描いていこうかという挑戦なのだというところが、同時発売された2冊の単行本を読んでいて伝わってくる。
たぶん、「たそがれたかこ」を含めて、まだなにも始まっちゃいないし、はじめられるんだっていうことをこれらの漫画が証明し続けることになるんだろうと思う。
そんな漫画を堂々と楽しめるんだから、歳を取るのも悪いことばかりじゃない。 

webコミックで言えば、今週は収穫ばかりだった。
ガンガンONLINEでの「ヤンキーショタとオタクおねえさん」と「兄の嫁と暮らしています」の更新は自分へのご褒美としたいくらいだなあと満足して読んだ。
「ヤンキーショタ」の龍桜くんは相変わらず手脚の描写が神懸かっていていろんなものを補給させていただき、「兄の嫁」の方は主人公志乃と、その兄の嫁である希の関係性が今回も本当に繊細に描かれている。親子でもなく、他人でもなく、友人でもなく、恋人でもなくっていうところが微妙に描けているから、ただ頭を撫でただけでそれがどれだけ二人にとって大きいことかがわかる。
pixivコミックで永田カビの「一人交換日記」も最近ちゃんと更新されていて、こちらももう、ほぼなんというか心身ともに崩している毎日をそのまま垂れ流しているというのに近くて、読んでいてもこれは厳しいなあ、って思う。それでもまあ、文学ってこういうもんだよな、と思う。そのまま描いているんだろうなって思うように伝わっているということは、それが読者に届いているということでもあるのだから。ギリギリこの漫画を描きながら生きている作者自身を含めてが、気になってしまう。
メンタルが不安定なことを赤裸々に描いているといえばもう一つの巨頭はChampionタップ!に連載されている史群アル仙の「メンタルチップス」で、こちらも長いトンネルに光が見えたと思ったら、また辛い話が続いている。好きになった女性と共依存状態になってしまった、という話で、端々が身につまされる。
あとは、WEBコミックぜにょんで連載していた「マヤさんの夜ふかし」が最終回を迎えてしまったのは悲しい。真夜中に遠くに住んでいるたった一人の友人とSkypeをしてだらだらと話をするってだけの漫画で、魔女の主人公マヤさんの部屋でのだらけ加減が好きだったのになあ。
ぜにょんで言えば、「はんなりギロリの頼子さん」という京都の街中でタバコ屋をしている頼子さん(全然はんなりな感じじゃない)が、ムスッとしながらも観光客についつい世話を焼いてしまう、という漫画が載っている。 漫画の中にイケズキャラの扇子屋の娘が出てくるんだけど、いやいや主人公からして(多分、漫画ではあえてイケズに描いていないような気がするのに)どう考えてもイケズなのだ。京都に近い場所で暮らしていて、リアルなイケズさんと日々接している身としては、これはリアル過ぎるだろ、と読むたびに思って震えてしまうのだった。
あとはふんわりジャンプの「ぼくたちLGBT」とか、COMICポラリスの「タイムスリップオタガール」、FEELFREEの「出会って12時間で婚約した話。」とかも楽しみに読んでいる。 (う)

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