最近どんな漫画読んでる? 2017/10/29

なんとなくやっていたtwitterで、今年から好きな漫画家を見つけ次第フォローしてみようと思って実践していると、段々楽しくなってきた。
一日中つぶやいたり絵をアップしたりバズっている話題をその都度リツイートしたりしているツイッター廃人気味のシギサワカヤとか、息子ネタが面白い山名沢湖とか、すごくきれいで雰囲気のある絵を定期的にアップしている丸紅茜(同人誌「map」もすごいから)、あと、一番好きなのはイシデ電のつぶやきだ。

イシデ電のツイートをずっと読んでいるとわかってくることは、飼っている猫の話、作ったみそ汁とかの話、手芸がとても上手いこと、そしてネームがなかなか通らないことだ。いっつも落ち込んでる様子ながら、猫とともに暮らしているリアルな感じがとても好きなのだ。
そのイシデ電が、最近になっていきなりブログをちゃんとやり始めていて、それがまた面白い。
傘を2回も置き忘れた話とか、回転寿司屋のポイントカードは気前が良すぎるとか、一番新しい話では、乾燥わかめをもらいすぎる、という話だった。いやあ、これぞ日記という感じでたまんない。

そんな中で先月、オフィス・ユー11月号に読み切り「恋いぞこないのサンバ」が掲載された。
読んで思ったのは、イシデ電は、いわゆるという形の恋愛漫画は本当に描かないよなあ、ってことだ。恋愛をしているど真ん中の話ってのはあんまり読んだ中では記憶にない。「餅巣菓さんに呼ばれる」は若干そうだった気はするけども、これもどちらかといえば恋愛未満の話だ。
ある意味、「恋愛」にしてしまって話を進めたり終わらせたりってことはまあ漫画ではよくあることなのに、そういうことを全くしないというのはどうしてなんだろうって思った。
大人の女性漫画を恋愛抜きで描くっていうのは相当難しいような気がするんだけど、この読み切りを読んで思ったのは、偶然とか苦手だとかで描いていないんじゃなくて、明らかに意図的に、確固としてやってるんだろうってことだ。そして、その作者の選択の中でこの作品も、「晴れ間に三日月」という傑作も生まれたんだなあ、って思ったのだ。
そう書いていて、そういや益田ミリとかもそうだよな、と思ったりしたけど、ドロドロ度は益田ミリの方が高いような気がする。
イシデ電も同じように人間関係とか絶望感とかの状況はすごいけど、漫画としてそれらが気持ちよく読めていくところが自分好みだ(逆にこの人は猫の漫画がドロドロしている)。


あと、コミックビームに連載を持っていた頃から好きだった、しおやてるこもフォローしているんだけど、しおや漫画が生み出した最大のスター、ハルオのイラストをアップしていて、嬉しかったのでコメントしたら、リプライで自分のところにもハルオの画像を送ってくれて、びっくりしたことがあった。嬉しかった。

  ちなみに「アオとハル」は、だれもが描いてきた高校生の青春物語のさらに一番真ん中に、全力で直球を放ってきたようなすごい漫画で、 「バタアシ金魚」のカオルが現代に降り立ったのがハルオだと、読んでいて思った。

とまあ、嬉しいつながりでもう一つすごいことがあった。
鳥飼茜のテキストものの新刊(「地獄でガールズトーク」)が出る予定で、そこで本人が恋愛に関する質問に答えるのでどんどん応募してくださいみたいな話が数ヶ月前にタイムラインに流れてきていたので、応募してみた。
今、飛ぶ鳥を落とす勢いの鳥飼茜に質問答えてもらったらすごいよね、とか思って。
で、その新刊が数日前に発売になって、もしかしたらと思って本屋で買って読んでみると、自分の質問が載っていたのだ。鳥飼茜がちゃんと回答してくれていて、びっくりした。
いやあ、これも嬉しかったなあ。
自分の周りの人に言っても多分わかってもらえないだろうけど、「あの」鳥飼茜の本に自分の言葉が載ってんだぜ、って誰かに言いたくて言いたくてしょうがないんだけどなあ。

まあ、なんというか、本屋に売っている本の作者に直接感想を伝えられたり、一言交わすことができたり、ってのはネットの本当にいいところだと思う。
しかし、逆に言うと、鳥飼茜のtwitterアカウントは、あんなに人気作家なのに、その割にはフォロワーは多くない。 他の漫画家の人のつぶやきを読んでいても、ネットがあるからってたくさんの感想が来るわけではないようだ。
自分に反応が返ってくると嬉しいように、漫画を読んで、面白かったとかここはどうだとかっていう感想を、もっと送るべきなんだなあと思ったりする。
同人作家の人なんかは、イベントの差し入れよりも感想が一番嬉しい、とみんな書いていて、あとは、面白いと思っても、そのことをどこかで出版社に届くように言わなかったらその漫画は続かないよ、っていう話もあった。
こんなに面白い漫画や漫画雑誌が1000円もしない値段で手に入るって考えたらすごいよな、とか最近なんとなく思ったりするようになったけれど、だったら自分なんかがと思わずに、感想をたくさん書いていくべきだなあ、と思ったりする。(う)

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