うさぎ式読書日記220311

月曜日に職場から連絡があって、売上の請求システムがエラーになってしまい、どうしたらいいのかと言われた。

どうしたらいいのかというよりは、どうしてくれるんだという感じだったのだけど、なんでこういった時、Googleで調べたり、ちゃんと存在するコールセンターに電話しないのか謎だ。

ただ、この件だけは1ヶ月の売上がまるまる入ってこないという事態になってしまうので、それこそGoogleで原因や、これからなんとかできる余地があるエラーなのか、代替策は、などと調べ、コールセンターに電話し、という現場でもできそうなことを自宅でずっとやっていたのだった。

こういった時、休職期間中のこれまでだったら必ず胃が痛くなって嘔気が出るか、腹痛が襲ってくるというパターンだったのだけど、まあ確かに上手くいかなかったら本当にヤバい案件であったからなのか、心身の症状は出ずだった。

結局火曜日と水曜の午前中までかかって色々して、結果コールセンターのサポートで現場がどうにかしたという、なんだそりゃっていう終わり方だった。


水曜日の午後からは、職場に行って産業医の医師と面談した。

先週末のクリニックの主治医との面談でまた2週間休職が延期になったけれど、職場環境が改善したか確認していったり、リハビリ出勤の準備などもしていきましょうという、若干復帰に向けた前向きな話にもなっていて、そのことを産業医にも話したのだった。

あと、ついでといったらなんだけど、と業務が過多なことや、自分の仕事を誰も管理してくれないことで、自分で考えついて自分で解決する、みたいなことを勝手にやってるけどそれで大丈夫なのか不安だとかそういった話もした。


今週に入ってから暖かくなってきて、心身の状態もかなり良くなってきている。

本や漫画もよく読めるし、仕事に復帰したらあれとあれに手をつけようとか、ああいう提案をしてみようとか勉強しようとか、将来のことを改めて考えたりとかしたのだった。

自炊もちゃんとし始めたりとか。

もう回復傾向で治りかけだから、こういったことになっているんだろうなと思った。


それで今日、同じようにメンタルの既往があって何度かの休職を経験している同僚と、LINEでやり取りをしていた。

職場はどんな感じ? とかを聞きながら、うさ山さんの調子はどうですか、と聞かれたので「いやあ、このごろ元気になってきて、復帰したらあれとあれをやろうかなとかいろいろと職場のことをすごく考えていて」と言ったら、「ちょっと不安ですね」と言われたのだった。

メンタルで服薬もしているような状態で、あれもこれもとか考えてるのが、鬱が反転した躁状態のようだという。

言われてみれば躁かもね、と思わず言いそうにもなったのだけど、まあたしかになあ、とは思うのだった。

彼女は結構過去に苦労した人なので、こちらの回復状況についてもかなり慎重な見立てをする。

自分自身、こんなに休職が長引くなんて思いもしなかったし、メンタルで今がいい状態なのか悪い状態なのかとか、そういった感覚はそんなに当てにならないような気がしていたので、「確かに経験者に言われれば、そういう気がする」と話しつつ、「でも、回復してきているとは思う」とも加えて言ったのだった。



この間少しずつ本や漫画を読めるようになってきていて、現代詩同人の例会で面白いと言われていたメルヴィルの「書記バートルビー」を読んだ(感想が長くなったのでこっちに分けた)。

自分の身に起こっていることのようで、とても身につまされた。

「しない方がいいと思います」と言って自らの基準に満たない仕事を拒んでしまう男バートルビーを、寓話的な人物として読むのか、それとも実在の人物として読むのかで、受け取り方が変わってくるのかもしれないと思ったり。


あと、借りて「王様ランキング」を6巻まで読む。

続きが気になってどんどん読めてしまう。隠れたルールみたいなもの、登場人物に不幸なことが起こっても必ず救いがある、みたいなのがあるんだけど、結構戦いに次ぐ戦いで血生臭い部分とかもあったりして読んでいて疲れたりはするのだった。

死なない血生臭さ、という意味では「ドロヘドロ」を思い出したりもするんだけど、どちらかと言えばこちら「王様ランキング」の方がよりダークに思えるくらいだった。


ばったんの「かけおちガール」全3巻も読んだ。

否定ばかりするし暴力振るうし勝手に中出しするし妻の同僚に手を出そうとするし、というクズ夫から駆け落ちするように逃げるみどりとその親友のもも。2人でいるときの世界はキラキラと光るんだけど、それがこの「かけおち」が刹那的なことだっていうことを際立たせてる。

ちょっと辛い描写もありながらも、クズ夫がどうして暴力をふるったのかが少しだけ丁寧に描かれるけど許されるほどじゃないなって描き方をされるし、最後は超ハッピーエンドなので本当におすすめ。

ばったんの漫画はイラストの美麗さはもちろんだけど、オリジナリティのある漫画的表現がすごく良くて、その中で「キラキラ」も、結構突っ込んだ使い方がされてていいなあって思う。


宇仁田ゆみの「夕暮れのあなたは、少し首をかしげて」1巻も読んだ。

失恋を機に引っ越してきた社会人男子がその古いマンションの管理人さん(夫と離婚協議中)に一目惚れするという話。

宇仁田ゆみについてはずっとそう思ってるんだけど、登場人物が本当にすごくいい。なんにも詳しく描かれなくても、その人物に生活があって人生があってバックグラウンドがあってってことが、全部伝わってくる。

志村貴子なんかは実際にモブのような人物も含めて、本当に全員の人生を描ききってしまうという力技をやっちゃうすごい作家だけど、宇仁田ゆみは反対に詳細なことを全然描かなくても、なんでだろうこの人物には絶対「ある」な、ってことが伝わってくるからこちらもすごいし、みんなかわいいんだよなあ。

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