昨日は夜にTwitterを眺めたりしているうちにいつの間にか眠ってしまった。
起きたのは真夜中の3時半で、電気もストーブもついているし、なにもかもそのままになってしまっていた。
なにか自分がプロデュースしたクイズ番組に出てコメント役をするみたいな夢を見てうなされた。それからすぐに寝る。
次に起きたのは10時過ぎだった。またとても具体的な夢を見てとてもうなされた。
起きて時計を見て、もうゴミ出しは無理だと判断してまた寝る。次に起きたのは11時半頃だった。
ここ1週間くらいのことだけれど、とても眠たい。
春で暖かいから、みたいなことを考えると身も蓋もないのだけれど、先々週から飲み始めた胃薬兼向精神薬によるんじゃないかと思っている。副作用に夢見の悪さがあると医者が言っていて、これだけ寝てもすっきりしない頭の中で、なるほどなと思うんだった。ただ、吐き気は大分と良くなってきた。
昨日作ったカレーの残りをとろ火で温めて、作り置いていた長ネギのマリネを冷蔵庫から取り出して食べる。
ストーブに灯油を入れて、先週届いた猫の自動水やり器のフィルターを掃除した。部屋の隅にたくさんのゴミ袋が置かれていて、この前見たドラマ「カルテット」の1シーンを思い出したりする。あれは松田龍平がいつもちゃんとゴミ出ししてくれていたって話だった。
午後からは何気なくテレビをつけて、BSでしていたアメリカPBSのニュースを見る。ロシア軍の爆撃で病院に運び込まれたウクライナの幼い子供の映像が流された。子供は救急措置でも助からなかった。
たぶん多くの人がそうであるように、この2020年代にこんなことが許されていいのかと思っている。あまりにひどすぎる。
そしてそんななか、日本のSNSではこの戦争を利用しようと核武装論をぶったり、反戦の声を冷笑したりする醜悪な発言をし続ける人間たちの薄汚いツイートが自分のところまで出回ってくる。
なにができるのかを考える。今できることは少なくても、自分たちのことになった時に自分はどうするのかを考えて行動することはできるんじゃないかと思ったりする。
ただ僕は、どんな状況であろうとも戦争に反対し続ける。
テレビでは連日、ウクライナのために最後まで戦うと話す大統領や、無名のウクライナの人々の声が報じられる。じゃあ自分は、日本なんていうくそみたいになってしまった国のために戦えるんだろうかとずっと、自問している。
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや(寺山修司)
そのあとはテレビを消して、読みかけのエンデの「モモ」を読んだ。
最近は、昔に読んだけどもう一度読み返す、みたいな読書ばかりしている。
しかし、去年出た物語だとしてもおかしくないくらいの切れ味鋭い現代批評にびっくりした。
物語をざっくり言うと、誰もが自分のペースで仕事をしたり、子供は自由に工夫をしながら遊んだりしていた日々が、ある日から「灰色の男」たちに奪われてしまう。奪ったものは時間で、時間を奪われた街の人々は仕事に効率を求めだして客と話もしなくなり時間単位で働かなくてはいけなくなり、子どもたちは施設に入れられて仕事の練習みたいな遊びを押し付けられるようになる。
かつてそんなことになる前には子どもたちの中心になって遊び、大人の悩みを不思議な「話を聞く」という能力で解決したりしていた不思議な浮浪児の少女モモが、謎のカメ「カシオペイア」に導かれて灰色の男たちが街の人々から奪い尽くしていった時間を取り戻すために、「時間」そのものを作り出す人物に会いに行く、という話だ。
灰色の男たちに奪われた時間は、結局すごくスリリングな展開の後に取り戻されることになるんだけど、その理屈も仕掛けもきれいに織り込まれていてすごい。そして、その時間というものを可視化するような言葉や映像的な表現が圧巻で、すごく素敵だった。そして、お調子者のジジや誠実なベッポ、そしてカシオペイアがすっごくかわいい!
この前同僚がグループLINEで、人間が起きている時間が何時間で、一生にすると何時間しかないから生産性上げろみたいなネット記事を送ってきていて、灰色の男の手先みたいだなと思った。「モモ」に全く同じシーンが出てきていて、母の見舞いに行く時間、恋人と会う時間まで計算し、あなたはいつまで時間を無駄にし続けるのか、そうじゃなければ成功できたのに、と迫るのだ。
当初の診断では休職期間は2周間だったのだけど、先々週に受診したときに2週間の延長になった。
受診したときには、来週から復帰かなとか思っていたんだけど、最近の心身の状況や職場からどういった説明があったのかどうかとか、そういったことをあらかた聞いたあとに、「それじゃあ、あと3週間くらい延長しておきましょうか」と言われた。
もう少し延長はしてほしいような気持ちではいたけれど、3週間にはちょっとびっくりして、「2週間くらいにはならないでしょうか」と思わず言ってしまった。
受診のあと、メンタル休業歴のある同僚にLINEで報告していたら、「じゃあ医師が3週間って言っていたのに2週間にしてもらったってことですか」と言われた。自分の中では、3週間を2週間にしてもらうくらい仕事に関して真摯に考えている自分、みたいなことを伝えたいという下心も会ったそこまで詳しいシチュエーションを話しただけに、かなり意外だった。
医者が3週間と言っているというのは、それまでの経験や症例からそう言っているんではないのか、ということで、確かに、自分では全然大丈夫と思っていても、ことメンタルに関しては客観的な判断じゃないのかもしれない。
それで、先週は休職3週間目だったんだけど、その時に思ったのは、あ、2週間だけじゃヤバかったかも、ということだった。最初の2週間は正直メンタル面での落ち着きとかははっきりと感じられなかった。
でも、先週頃からはなんか、ネガティブな考えだったりループだったりが減少したとはっきり感じられるくらいんにはなってきた。胃腸の悪さも、胃薬と向精神薬を兼ねた薬が処方され、それが功奏してきた感じがある。
先週から今週にかけては、ほとんど職場からの連絡がなくなってきている。仕事的には自分への依存度が下がってきていてピンチなんだろうけど、まあいいや、心がさざめくことはないし、時間泥棒に奪われた時間を、こうやって取り返してるんだよ、と2年前に2ヶ月で2日しか休めなかった時のことを思い出すのだった。
最初の2週間で言ったら、全然本や漫画や動画なんかが見られなかった。スマホで麻雀ゲームばっかりしている日が会ったりとか。
やっとこの頃は読んだり見たりできるようになってきた。徐々に。
たらちねジョンの「海が走るエンドロール」2巻を買って読む。勿体ないくらい面白かった。
海くんのかわいさ、彼に恋している後輩のグチとうみ子の関係とか、本当に良くって。
ただ、なんか話が急ぎすぎてないかなと心配になる。「アザミの城の魔女」も「グッドナイト、アイラブユー」も全4巻だったけれど、少なくともこの漫画に限ってはもっともっと続けられる権利は十分に手にしていると思う。もっとゆっくり見ていたい。
あと、たらつみジョン(名義)のBL、「アルコホール・コミュニケイション」も読んだ。これも良かった。人間同士の邂逅の一番気持ちのいいところ、どきどきするところをすくい上げるのが天才的に上手いなって思った。
話はゴールデン街のバー「或子ホール」にまつわる2組のカップルの話。女性との失恋を引きずった男×内気な美大生と、エロい事好きのバーのマスター×中卒フリーターの話が表題作なんだけど、泣けるしかわいいし気が気じゃないしハッピーエンドだしってことで大満足だった。
中学校卒業後進学せずにバーで親の手伝いをしたり流しでギター弾いたりしているという少年が、同年代の子に悩みを聞いてほしくてカラオケに行って遊ぶけど所在ない、っていうシーンとかすごかった。
しかしもうずっと、「グッドナイト―」の頃から思ってたけど、世の中からエモいって言葉をすべて取り上げて、全部たらちねジョンにあげればいいのにって、今日もまた思った。
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