今年から読んだ漫画を読書メーターでつけることにした。
そうしたら、かなり整理がつきやすくていいなあと思った。
読んでいる漫画は常にこちらで上げている。
あと、今年からはウサヤマブックスにて発表してくことにしたので、よろしくお願いします。
あまりダラダラと前説を書かずにまずは、ノミネート作品から書いていこうと思う。
2017うさぎ式漫画大賞
選考基準:今年うさやまが読んだ漫画の中で良かったもの(今年よりも前に発売された漫画を含む)
【ノミネート作品】(順不同/作品名のあとの数字は既刊)
違国日記 1/ヤマシタトモコ
人嫌いの少女小説家が中学生の姪を引き取ることになり、2人の生活が始まる。静かな温かさと主人公槙生の「言葉」への繊細なこだわりが、気持ちよくて緊張感のある世界を作りだしている。1巻からして名作間違いなしの予感。
たそがれたかこ 全10巻/入江喜和
45歳バツイチのたかこはかつての自分と同じ拒食症の娘を引き取ることになる。読む大人の心を揺さぶる、ぎこちなくも激しいたかこのロックンロールが自分を、そして周りの世界を変えていく傑作。
メートル/斉所
同人作品。創作同人誌に人生を賭ける女性キヨと親友ですでに商業作家になっている紫が漫画に向き合う日々を描いた、ひりひりするような物語。
関連記事: 自負も、卑屈さも、全部漫画にする ―メートル/斉所
女装男子とメンヘラおじさん/ふみふみこ
女装趣味のエリート高校生と、虐げられた日常を送るサラリーマン「クソ豚おじさん」がオフで出会ったことで始まった関係が、時間を超えて思わぬラストに向かっていく。さすがとしか言えない圧倒的な力技はもはやBLではなくジャンルがふみふみこ。
ミッドナイトブルー/須藤佑実
7篇が収められた短編集。表題作は、2年毎に行われる天文部の同窓会の時だけ、死んだはずのみのるが彼女を好きだった暁人の前に現れる、という物語。雰囲気に傾倒しないし、だからといって話に頼らない。とても「漫画らしい」漫画で勝負できるのが須藤佑実の最強の魅力。
関連記事: 漫画だけができること ―ミッドナイトブルー/須藤佑実
地獄のガールフレンド 全3巻/鳥飼茜
大人の女性漫画の中で、今一番勢いがあるんじゃないかと思う鳥飼茜のガールズトークも最終巻に。男が読むと毒がいっぱいなんだろうけど、とにかく読んでてずっと楽しい漫画。
日々我人間/桜玉吉
週刊文春の連載がまとめられた1冊。本当にどうでもいい日常の出来事を描き続ける日記のような漫画に、どうしてこれだけの切なさとか哀しさを感じてしまうのか。人生で描いているともいえる、すごい漫画。
貝とオルタナロック/なこ
同人作品が単行本に。愛想のないお局的OLと軽いけどソツのない18歳アルバイトとの恋を描いた百合作品。お互いのキャラクターと関係がとても意外で新鮮で、ドキドキした。
おとこのことおんなのこ/米代恭
男であることを否定され続けてきた男性と、ずっと女の子になりたかった男性。肯定されたいのは今の自分じゃない、っていう苦しみを抱えた2人のままならなさが、厚みのある物語で描かれる。
にいちゃん/はらだ
小学生の時自分を犯そうとした男「にいちゃん」と高校生になってから再会したゆい。再び男に犯され続ける中、「にいちゃん」の過去が明らかになる。レイプの連鎖を断ち切るために過去に向き合う2人の物語。BLなのに主人公の彼女の存在がとても重要で、ビターエンドなのも深い作品。
熱海の宇宙人/原百合子
SF短編集。熱海に現れた宇宙人との密かな交流を描く表題作など、独自のアイディアのある作品世界と絵が素敵。ベタベタしないけれど温かくて楽しい漫画がとても魅力的。
正しいスカートの使い方/位置原光Z
白泉社の「楽園」掲載作がまとまって2冊目に。やらしいことを言ってるだけで、内容はやらしくないんだけど、なんだか読んでいてそんな気持ちが盛り上がってくる大満足の24編。
夜さんぽ/木村いこ
不安障害と運動不足で始めた夜の散歩。そこで見つけたちょっとした発見とか楽しみについてのエッセイ漫画。鉛筆で描かれた画は、優しさだけではなく、夜の住宅街の空気や感じる気持ちを少しの緊張感をもって絶妙に表している。
関連記事: なんでもなく、そして特別な夜 ―夜さんぽ/木村いこ
ぼくたちLGBT 1/トミムラコタ
自らのバイセクシャルとしての経験を語ったり、作者の周辺にいるLGBTなどの人たちにインタビューしたりするエッセイ漫画。多様性とか簡単に言うけど、セクシュアリティとか性癖ってこんなに自由なんだって、読んでてうれしくなるフリーダムな1冊。
たーたん 1-2/西炯子
今年、たーたんの過去について描かれた2巻がやっと発売に。意外に重たい内容になるも、そこは軽妙さでバランスを取っていて流石だと。
関連記事: 最近どんな漫画読んでる? 2017/10/13
初恋の世界 1-3/西炯子
たーたん2巻と同時発売になった3巻。40を過ぎた女性たちの友情と、それぞれが抱えている状況をこれまた重ために描いている。未婚の40代をちゃんと描いてくれているのがとてもうれしい。
関連記事: 最近どんな漫画読んでる? 2017/10/13
1518! 1-4/相田裕
今年知った漫画。高校生活を生徒会活動の視点から真面目に描くという視点がいい。夢を諦めたり見つけたりする元背番号15と18の2人を中心とした群像劇。特に会長の環は滅茶苦茶かわいい。
おさらばめる子/縁山
ゼロスで連載していた「める子」もついに終わりに。SFに時代劇に蘊蓄に日常にと、思った以上に多彩で手間がかかっている。登場人物が楽しそうにしているところが読んでてすごく楽しい。
それでも町は廻っている 全16巻/石黒正数
永遠に続いてほしいと願っていた日常漫画の金字塔「それ町」がついに最終回に。それぞれが未消化だった問題をちゃんと解決しようとする最終巻には感動。巻末のエピソードでは歩鳥の将来が明かされるんだけど、まだ日常のループの中にいたかったなあとほろ苦い気持ちにも。
(以上 全19作品)
ノミネート作の一覧は読書メーターの本棚でも公開しています。
なお、昨年までのまとめは以下に。
2016うさぎ式漫画大賞(「うさぎ式読書日記」内)
今年の大賞は近日発表です。(う)
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