スーパーはなえ/海鮮丼(ホタテ&Nicola)
車に轢かれそうになったところを助けられた男子高校生の秋穂。
その命の恩人である青年の後をつけると、あるスーパーのバックヤードに入っていった……。
妙なきっかけでスーパーのバイトを始めることになった主人公と、店長はじめスタッフが織りなす賑やかなコメディ。
日常系の物語、それもスーパーものってどんなんだろう、って思った。
店の仕事が農産とか畜産とかレジとか各セクションに分かれていることとか、店長(副店長)の役割とか、いろいろとスーパーの仕事というものに詳しくて、それだけでも面白い。主人公は初出勤のあと、シフトの関係で次の勤務が5日後になったりして、いちいちリアル。
気軽に楽しく読めるし、登場人物が20人位出てくるんだけど、サンプルのフリーペーパーに人物紹介も載っていたりして、そんなには困らなかった。
アホな店長と生真面目過ぎる副店長の関係とか、人物同士の関係が段々くっきりしてきて軌道に乗ってきたところで、店員達を悩ます「王」との直接対決に……。
小さい文庫本1冊で登場人物のじっくりとした紹介を読んだ感じもして、出揃ったメンバーで本当のストーリーが始まるのはこれから、といった感じもする。
キャラクター全員がちゃんと練られていて、いくらでも今後の展開に期待できそう。というか、展開があるような含みがたくさんあるし、早く続編を読みたい。
あと、仕事でなんかあるたびに主人公が毎回、友人のカジノくんに理不尽な八つ当たりする、ってネタが可愛くて好き。
(シリーズ続く)
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