うさぎ式読書日記230316

今日は昨日よりはもう少し早く起きて、1本早い電車に乗ることに成功した。

隣駅に着いて、ゆっくりいつものコンビニに行って昼食のおにぎりを買い、会社の送迎バス乗り場からそう離れていないパチンコ屋の裏手で少し時間を潰した。ここは最近知ったんだけど、同じような会社勤めの人たちが煙草を吸ったり缶コーヒーを飲んだりしながら時間を調整する隠れた場所だった。

仕事は小忙しい感じだった。トラブル対応や稟議書や添付資料の作成その他にそこそこ追われる。

昼休みに友人YからLINEが来た。数ヶ月休職していて、そのまま退職しようか迷っているという話を聞いていたけれど、今日から復職したんだという。今まで働いていた地元の支店が廃止になって大阪市内の支店に統合されたとか言っていたから、そこに行ったんだろうかと思う。

午後からは印刷機メーカーの営業担当の人と面談し、見積もりのことなどで話をする。昔は桜と言ったら入学式の花でしたけど、今日日ではすっかり卒業式の象徴みたいになりまして、とか、コロナもずいぶん落ち着きまして、とかそんなビジネスマンの話のマクラみたいなものを長々と聞かされる。

予想していたよりも作業量が多くて1時間近く残業することになって、珍しくよく働いたような気持ちになって会社を出た。

バス停まで歩きながら、昨日コミックビームとかと一緒に買って昼休みにでも読もうと持ってきていた桜玉吉の「日々我人間」3巻のことを思い出し、あー読むの忘れたな、と思った。

すごく楽しみに買ったっていうのに昨日の日記に書くのも忘れていたし、函から出すこともできなかった(「日々我人間」は四六判のヨコで、さらに紙のスリーブに入っているという凝った装丁だったりする)。

駅前に出て適当に夕食を食べ、駅にあるショッピングモールのカルディでちょっと買いたいと思っていたウォーカーのショートブレッドがたくさん入ったアソートパックを買ってしまう。

駅は明らかに中高生が多くて、先週くらいから浮かれた雰囲気が漂っている。

改札を入って歩いていたら、突然後ろから男子高校生たちが走り出して自分を追い越し、階段とエスカレーターを駆け上がる競争を始めた。そんな光景をじゃれあっている仔犬を見ているような気分でぼんやり見る。

発車待ちの電車の中で読みかけの内田百閒の「ノラや」を読む。飼い猫ノラがいなくなって寂しくて泣いてばかりいる、とページをめくってめくってもひたすらそのことばっかりが書いてある。とんでもないエッセイだなと思ってそう読んでいたんだけど、それが、百鬼園先生たちがそのノラにそっくりな猫クルツを向かい入れるところから話がどんどんすごくなっていく。一気に様相が変わり、それまで書かれてきたノラに関する記述をそれが伏線であったかのように包含していく話になっていくように思えた。そして、最近飼い猫をなくした自分にとっては結構辛い展開を迎えていた。

地元の駅に着いた頃にはもう、あたりは暗くなっていた。

歩いて家に向かい、コンビニに寄ってお茶のペットボトルとピノを買って、家の近くにある公園に通りがかって、誰もいなかったので入ってベンチに座った。

そこで同僚から来たLINEに返信したあと「ノラや」の続きを少し読む。

ひたすらに悲しい描写が続き、飼い猫のうりのことを思い出す。

アパートの部屋に帰ってきて、ベッドに横になって、これまで全く見ていなかったWBCをスマホで見た。偏見甚だしいのかもしれないけど、野球って古いおっさん文化の象徴のような感じがするな、とか思ってからいつしかあまり積極的には見ないようになってしまった。

昔はそれこそ野球くらい見ていないと、という感じで無理にでも知識を入れていないと不便なことも多かったんだけど、幸い今はおっさん的な会話がほとんど発生しない職場環境でとても助かっている。それこそ営業でやってくる背広の男たちが最初にする世間話くらいなもんだ。

まあでも逆に、みんなが見てるから見る、という形から、好きだから見る、という形になんでも変わってきているのかなという気はするし、その方がいいんじゃないかなと思う。

それからしばらく見ていたけれど思った以上に今日は疲れているみたいで、あまりに眠たくなってきてスマホを横に放り投げてそのまま寝てしまった。

目が覚めたら真夜中の2時過ぎで、SNSをチェックしたり、今週土曜日に京都みなみ会館でやるオールナイト上映のプログラムを確認して行こうかかなり悩んだりする。4本連続上映で合計8時間だって。

一晩中映画を見続けて心身ともにぐだぐだに疲れ果てて、それでも頭にはまだ観た映画の余韻が残っていて、そんな状態で薄明るくなっている朝の道路を一人でフラフラ歩くのがとても好きだったりして、それはまさに今の自分にとっては慰みになるんじゃないかとか、そんなことを考えたりしていた。

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