15年前、友人が赤ん坊を預けて刑務所に姿を消した。
そして今、子供を預かった主人公「たーたん」こと上田敦は43歳になり、中学生になった娘の鈴を育てながら二人で暮らしている。
いつのまにか多感な時期を迎えてしまった娘に、たーたんは本当のことを言い出せず、そしてまだ、童貞のままだった。
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真面目で優しく、要領の悪い小太りのおっさん、たーたんは、自分とほぼ同じ歳だからなんだかシンパシーがすごい。
共感っていうのは、リアルとか、手厳しい現実を見せなくたってちゃんと生み出すことができるんだなって思う。
それはもしかして、自分が主人公に過剰に肩入れしてるだけなのかもしれないけど、娘に振り回される43歳の男を自分のように思いながら、楽しみに読んでいる。
同時期に始まって他誌で連載されている「初恋の世界」は40歳の恋愛童貞というべき女性の物語で、流石にちょっと深い。
こちらは年下の男に主人公が振り回される話なんだけど、不惑になったってまだ、僕らはぐらぐらと揺れながら生きている。そのことって悪くないよね、って西炯子に言われているような気がするのだ。(う)
たーたん(1) (フラワーコミックスα) / 西炯子
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