少しずつ仕事が落ち着いてきているような、そうでもないような、っていう感じだ。
少しずつ漫画が読めるようになってきて、自炊はさぼりがちだ。
一昨日に職場でおすそ分けの揖保の糸をもらって、早速茹でて食べたのだけど、おいしかった。なんていうか、柔らかく口当たりがいいのに噛みしめると明確なコシが感じられる。
付け合せがよくわからなかったので、ズッキーニを輪切りにして焼いたものとかをかじりながら食べた。
前回に靴下ぬぎ子の「ソワレ学級」について書いて、その後に改めて読み返してみたら、なんか悩みを抱えた様々な人が――みたいな感じじゃ全然なかった。
単位制高校を舞台に、主人公の女性2人の友情と恋とがすれ違ったり重なり合ったりする関係の移ろいが主軸になる物語だった。
でも、単位制高校であるってことがそこまでことさらに強調されるわけじゃないんだけど、けれども全日制とはちょっと違った日常が自然に織り込まれてて、変な言い方だけど読んでてとても染み入るんだった。
多分、この漫画に描かれた登場人物たちのことをいろいろあって単位制に来ているとか思ってしまうのは、自分自身が高校を中退してそのあと定時制に行きなおしたということががあったからなんだろうなと思う。
定時制高校はかなり自由な雰囲気で先生もおおらかで変わった人が多かったようなことを覚えている。やんちゃな感じの同級生もいるなかで、夜のグラウンドでののんびりした体育の授業、ジェームス・ブラウンのような真っ赤なエナメルのジャケットをいつも着ていた英語の先生とかと過ごしたことを覚えている。
それでも学校という集団の中はやっぱり息苦しくて、結局辞めてしまった。
「ソワレ学級」がとても良かったのは、友人のことをずっと好きで、そのことにこだわり続けていたべにが、突然親の都合で海外に移住するか高校に残るかの選択を迫られる、というところだ。
同級生のおじさんに、面白いと思う方を選んだらいいんだよ、っていうようなことを言われたりしながら、べには海外に行くことを決める。
そこからそれぞれが卒業して就職して、最後のシーンでかつて好きだった友人るりは、中国でべにに再会することになる。
そこでべには、「私が見てたものってすごく限られてて 狭かったのかなって」と言う。
単位制の高校という場所は全日制と比べたらとても自由な場所のようにも思える。でも、本当はそこだけじゃなくて、もっと広くて自分らしくいられる場所だってどこかにあるんだ、っていうことが最後に伝えられていくことが、この漫画や作者の感覚のとっても好きなところだなあと思った。
そんなことを考えながら読んでいると、やっぱり「思えば遠くにオブスクラ」ともつながっていくなあと思ってしまうのだった。
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